hossyのドイツ田舎暮らし

好きな場所で働き暮らす!ドイツの田舎暮らしをつづったブログです。

こんな病院に注意!ドイツの歯医者で(超)怒られたはなし。

こんにちは海外フリーランサーhossyです。

先日ドイツの歯医者でちっちゃな親知らずを抜いてきました。

 

そこで先生にガチ切れされるというとっても驚く体験をしたのでシェアしたいと思います。

 

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基本的に海外の病院は不親切

これを言えばすべて話しは終わりなのですが、、

基本的に海外の病院は日本の病院のように親切ではありません。

特に歯医者など、命に別状のないケースにおいては平気で断られます。1ヶ月から数ヶ月後に来てね、なんてのもザラです。

 

これは海外の保険のタイプにもよるようですが、プライベート保険に入っている人は補償が手厚く、治療費もいっぱい払えるので早く治療が受けられるようです。

逆にパブリックの保険(国民保険)は、補償内容が決まっているので病院にとってはあまりお金になりません。

それで平気でそんなことが起こるんですね。福祉が発達しているドイツでさえそうなのですから、他の国の病院もあまり期待はできなさそうです。

 

ちなみに日本の海外保険を使って病院に行った場合はこの限りではなかったです。こちらの記事に詳しくまとめています。

 

hossynet.hateblo.jp

 

イラン人の日本語のできる先生

 

今回わたしが行ったのは、フランクフルトの日本語のできるイラン人の先生がいる歯医者です。こちらは以前お世話になり、すごく優しくていい先生だったのですが。。

 

今回わたしは学生用の格安プライベート保険で歯医者に行きました。

これには事前談があり、1ヶ月前にも一度この歯のことで歯医者に行きました。

そこでプライベートやパブリックの保険の内容について色々話を聞かせてくれたんですね。おお、よく喋るなあ、、という感じでしたが、そこはわたし、話しに乗っかっちゃうタイプなので、 先生の高額プライベート保険料のことや病院にどう行くかなど、おかげでとても詳しくなりました。

 

そこではわたしの格安プライベート保険のことも相談しました。

わたしの保険は歯医者は上限が500ユーロまでとなっており、この時先生が言っていたのは、「1年に500ユーロまでが保険で出るから、また来年500ユーロ使える。だから毎年500ユーロずつ通えばいい」という話しでした。また保険の内容を見せてーなんて言っていましたが、長い長い保険の約款を持ってくるのも悪いなあと思ったり。

 

そんなこんなで持ち時間1時間が経ってしまい、もう次のお客さんが来るから、また次回来て。という言われ、先生が夏休みが欲しいからと1ヶ月後に予約をいれました。

 

田舎から3時間かけて歯医者に来て、何もせずに帰ったわけですが、この時は1円も払わずに病院から帰ることに申し訳なく思っていました。

まあおしゃべり好きな先生だから、そういうのもいいのかなーなんて思いながら。。

 

 

問題の当日。

 

そして1ヶ月後、再び歯医者を訪問。

わたしの歯医者の保険料については、あらかじめ約款の内容をドイツ人に見てもらってきました。それによると、「500ユーロまでは保険料が出て、それ以降は50%が出る」という話しでした。それを先生に伝えると、この前言っていたこととは全然違う話しをしだしました。前のことだから全然覚えてないのかな、、?と思ったのですが、今これを書きながら思うと、ちょっと奇妙です。

 

前回歯を調べた時は、虫歯がいっぱいあるということを言っていました。だから毎年500ユーロずつ使って治療すればいいと。

でもこの日は、虫歯はない。と言われました(?!)覚えてないのかと思いましたが、「ほら、わたしカルテにも虫歯は書いてないから」と。

前回は「保険が効かないような歯も、虫歯って書いておいたからね。これなら保険で治療ができるから」と言っていたから、親切な先生だなーと思っていたのですが。。

 

何かおかしくないですか??

 

そして問題の歯を抜くという話し。

前回お話が長かったから、今回はすぱっと、「はい、抜きましょう」と言って施術する歯医者の椅子に座りました。

そしたら「まって、aktuell(現在)をちゃんと見たいから」といって、もう一度チェックすると言うので見てもらい。

 

そして抜こうとした時に、「あなたはどうしたいの?本当に抜きたいの?」のようなことを聞くんですね。(セリフは詳しくは覚えていないけど、そのようなこと。)

 

「え、先生が抜いた方がいいって言うから、抜くんじゃないんですか?」

「決めるのはわたしじゃないのよ、あなたが決めてちょうだい」

「(?!!)いや、わたしはこの歯を抜かないで、後から痛くなるんだったら抜きたいんですけど。。」

「そんなのわたしは神様じゃないんだから、後から痛くなるかどうかなんか分からないわ!!」

 

(?!!!!!!)

 

「、、、?いや、抜いた方がいいんですよね?」

「それはわたしが決めることじゃない、あなたが抜きたいか抜きたくないかの話しよ!あなた今日歯を抜くって言って来たわよね!」

 

実はこの日、電車の時間を間違えて1時間遅刻してしまいました。もちろん申し訳ないから、気づいた時点で電話しました。先生の都合のいい時で大丈夫です。と。

「そしたらちょっと待ってもらうかもしれないけど、今日歯を抜くんだったら来れる時間に来てくれれば大丈夫よ。カインプロブレム!(問題ない)」と。

それでできるだけ急いで歯医者に行き、先にいたお客さんを待って、その後の診察に上がったわけです。なので先生の時間を取るのも申し訳ないので、早く抜いてもらって終わらせよう!とわたしは思っていました。

 

だけど急にこんなことを言い始めて、倒していた椅子を元に戻しました。

「いやだから、わたしは抜くつもりで来ましたよ?」

「こんな小っさい歯、このおしゃべりしてる間に抜けるわよ。」

いや、だってあなたが色々話し出したんやん。。

 

「あなたはただの患者でしょ!普通、病院に言ったら患者はあなたみたいに医者に質問なんかしないわよ。わたしだって病院に行ったら、はい、先生、お願いします。って言って何も聞かないの。あなたみたいに色々質問するとね、わたしを怒らせるだけよ」

「(いや、特に質問していないんだけど)え、みんなそうなんですか?」

「そうよ!ドイツ人の先生だったら、あなた怒られるわよ!」

 

「、、、。」たぶん話しがおかしかったんでしょう。この間先生はずっと怒ってたんですが、何を言われたかあまり思い出せないです。

なんで歯がグラグラすると思う?それはこうでこうで、、とか歯を抜いた方がいい話しをしていたと思います。

「いや、だからじゃあ抜きましょう」

「全部取るわね。麻酔をするから2、3時間はまったく痛くないから」

(?!!!え、ちっちゃい歯だけって言ってなかったっけ。。)

「え、じゃあ麻酔が切れた後は痛くなるんですか?」

「イヒビン カイン神様!!(そんなのわたしは神様じゃないんだから分からないわよ!!)先のことがどうかなんて、神様じゃないのにわかるわけないじゃない!!(絶叫)」

 

いやちょっと待って。親知らず全部抜いたらって、超痛いんじゃないの。。?

 

「、、、。(色々ツッコミたいが、言い返さずひととおり怒りを聞いて)いや、だって麻酔が切れた後に痛くなったら、痛み止めとか飲まないといけないかなと思ったんです」

「当たり前じゃない!!!!!」

 

、、、?!!!!

 

「ここにはドイツ人も来るけど、ドイツ人は誰もそんなこと聞かないわ!」

「え、ドイツ人は歯を抜くのに痛いかとかみんな気にしないんですか??」

「そうよ!!」

 

ほんとかいジャーマン。。

 

これを読んでいる人なら分かってもらえると思うのだ。私の気持ちを。

 

そもそも歯を抜くのか抜かないのか、素人のわたしが決めれるわけないじゃないか。

先生が見て、あーこれは抜いた方がいいね、と診断するから抜くんですよね?

それを神様じゃないから分からない!!と言い放たれたら、もうどうしたらよいやら。

 

麻酔切れた後痛いかどうかは、これまでたくさん歯を抜いてきたなら知っているんじゃないの??そのために痛み止めの薬出しておくから飲んでねー。って言われたりしない??少なくともわたしの記憶の歯医者さんはそう言ったと思う。

薬好きな日本人だけなのか??いやしかしこの先生も昔日本に住んでいて歯医者してたはず。ましてや今も日本人を多く対応しているはず。

自分で家に今、痛み止め持ってるかめちゃくちゃ考えたよ、この時。。

 

抜くか、帰るか?

とりあえず一通り怒られたあと、どうしようか、このまま帰っちゃおうか。。脳裏によぎる。

先生は相変わらず、「一体どうしたいの?!!プンプン!」な様子。

 

わたしは他にも日本人がやっている歯医者があるのを知っていたので、やめます。と言ってそっちに行くことも考えた。・・けど、なんか怒ってるしこのまま怒らせるのも怖いのと、また麻酔をするなら歯医者に行くタイミングを合わせたりしないといけない面倒さに負けた。

 

 

「、、はい、抜きましょう」

「いいわね、もう一切何も言わないこと!口を開くのはもうなしよ!!」

と言ってプリプリと先生は麻酔をして、歯を抜いた。

 

親知らずという名のわりには、小ちゃい細っそい歯で、

「、、え?こんなちっちゃいの??」

「そうよ!こんなの乳歯を抜くみたいなものよ!」

「あれ、親知らず全部抜くって言ってなかったっけ?」

「これ以上大きいはがどこにあるっていうの?!!」といって先生はレントゲン写真を見せる。

あー、このグラグラしていた部分が親知らずの全部だったのね。

そこで初めて理解。あなたしか知らなかったことやん。

 

「抜いたところを舌でさわるのはやめてちょうだい。今のうがいが最後、これからうがいをするのだけはダメよ。血が固まっているのが取れちゃうから」

、、恐る恐る聞いてみる。(また怒られたくないから)

「いつまでですか?夜の歯磨きはしていいんですか?

「歯磨きも食事も普段の生活は全部オーケーよ。でもうがいだけがダメ。」

 

(、、、?!!!なんかおかしくないか?)

と思ったけど、もう何も言わんとこうと。

 

診察後。。

わたしの弱小プライベート保険でも、保険会社に請求するためにドクターのサインが必要です。サインを書いてもらうとまた何かケチをつけだし、

「わたしはサインをするんだけど、診察内容を書くところがないわね」

「あとで請求書がくるから、そこに書いてあるんじゃないんですか?あとはわたしが保険会社に書く書類に診察内容は書くから」

「いいえ」

(いや、そうなんだけど。。)

「この書類も保険会社に送るから、どっかじゃあ書いておけばいいんじゃないですか?」

っていったら、余白に何か書き込んでた。読めないんだよな、外国の人のアルファベット。

 

なんかもうどうでもいいや。と思っていたが、まだ残っている治療途中の歯のことを先生が聞いてきた。

「日本で治療途中だったんだけど、もうドイツに行くから、日本ではやれるだけのことをやっておくね、って言ってやってくれたんです」

っていう話しをして。それを治療するんならどーたらこーたら、、と先生は言っている。

内容を聞いて、

「ああ、それはいいですね!」って言ったんだけど、

「とりあえず、あなた今歯を抜いたばかりだから、いったん落ち着いて。また後から治療したくなったらその時にきてちょうだい」

 

わたしには、もう来ないでくれ。と聞こえた。

そしてわたしも、もうここには来ないと心に思っていた。

 

なんかまだブツブツいっていたから、最後に一言だけ言ってみた。

「わたしは素人で、先生がプロフェッショナルじゃないですか。じゃあ歯を抜いたらいいかどうかは、先生しか分からないと思うんです。わたしに聞かれても、自分でどうしたらいいか分からないですから。」

 

すると。。

 

「レヒト(権利)はあなたが持ってるの!医者が決めれることじゃないの。治療したいかどうかは患者さんが自分で決めないと!わたしはただオピニオン(意見をいう)だけ!!」

 

。。。。 一聞筋が通っているようでおかしい。。

 

じゃあ風邪とかで病院行って、薬飲みたい?って聞かれて、自分で決めるの??何飲まなきゃいけないとか知らんやん、わたしたち。。

 

いや治るんだったら飲みたいです。って話しだけど、そんなの神様しか分からない!って言われたら、じゃあどうしたらいいのさ??

治すためにこれを飲んでねって言われて、拒否する権利を発動する人はどのくらいいるんだろう??

 

後日この話しをドイツ人にしたら、ドイツでは「医者は半分神様」っていう言葉があるらしい。

確かに言われてみれば、この事件を知っているだけにしっくりくる。

 

とりあえずここの先生とはどうしても話が通じないようなので、話を切り上げようと

「まあとりあえず、もう歯を抜いてよかったです」って言って帰ろうとしたら、

「はい、そうね、お話はもうおしまい。早く帰りなさい」

みたいなこと言うから、

 

いやおまえがずっと話してきたんやんけ!!

 

ドアを閉めてエレベーターを待っている間も、ドアの向こうからプリプリ怒ってる声がつつぬけてきました。

「イヒビンカイン神様!!(わたしは神様じゃない!!)」

ってまだ絶叫してたから、それを聞いた助手の子はどう思ったかな。。

 

 

あとがき

 

これ以来、右上の歯のないスペースに違和感があり、そのたびに本当は抜かなくていい歯だったんじゃないかとか悩んでしまいます。やっぱり後になって、あの時抜くのを急がなくてよかったんじゃないかな、、と。

次の日ちょっと痛くなった時にも後悔したし怖くなったし、このままずっと、右上のすきっ歯の違和感を感じるたびにこのことを思い出すのかと思うと、本当に悲しいです。

 

今この記事を書いていて、やっぱり長く保険を使ってお客さんになると思っていたのに、500ユーロしか使えないと聞いて面倒になったのかなーと思いました。

じゃあやっぱり抜かなくていい歯だったんじゃ。。

日本の歯医者さんで、抜くのは簡単だけど、抜いたらもう二度と戻せないから、できるだけ抜かない治療法をすすめてるんですよ、って言ってくれた先生の言葉を思い出しちゃうし、なんか本当に残念。なんか追い詰められて選択を誤った気にしかならない。

 

こんなこともあるから、外国の病院に行く時は保険ってとっても大事なんだなと改めて痛感。

 

日本の海外保険を使った時は本当に素晴らしい対応ばかりだったので、そのこともこちらの記事にまとめています。

わざわざお金を払う海外保険じゃなくて、無料でついてるクレジットカードの保険でこれだけ補償がついてるなんて、今改めて素晴らしいなあと感じています。

 

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